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Lesson
19 介護職のシーティング支援構築のための基礎研究より抜粋 本稿は「介護職のシーティング支援構築のための基礎研究」(フランスベッド・ホームケア研究助成財団による研究助成)研究報告書からの一部抜粋である。興味ある方は、ぜひ参考にあるPDFファイルで全文をお読みいただきたい。 シーティング事例研究 1.研究対象事例 特別養護老人ホーム居住の7事例 @シーティング援助を必要とする事例(車いすベルトを使っている事例や、車いすにすべり座りのまま一日を すごしている事例や、臀部の痛みを訴えている事例や、体が斜めに倒れてきて手で支えて座っている 事例など)、かつ、A本人や家族から研究協力への同意を得られる事例。 2.研究期間:平成14年9月から平成15年3月 研究方法 1.情報収集。 本人の訴え、希望、座位保持能力、座っている時間、姿勢のくずれがどうおこってくるか、現在使っている 車いす、クッション、移動方法の確認、介護の現状、座面圧測定(FSA:Force Senitive Applications を使って) 2.研究会での事例検討 シーティングのプロと、事例居住施設の理学療法士・介護職員参加で事例検討。助言を得て援助計画立案 3.福祉用具のレンタル試行 福祉用具メーカーから事例のシーティング援助に有効だろうと思われる新しいクッションや新しい車いすを レンタル。 4.フォローアップ どのように生活が変わり、問題解決がされたのか 研究目的 1.介護職が行うシーティングの知識と技術を整理する。 2.シーティングに問題を持つ事例を直接援助し問題解決を図ること。 3.介護職が行うシーティングをすすめるための支援体制を考えること。
事例A 経過 援助内容 : 背中の凸に合わせて凹にしたバックレスト、脊柱の変形を多少矯正する座面クッションによる座位保持機能付き車いすをメーカーが何回も微調整。 経過 : バックレストが「とてもよい」「痛くない」脊柱の湾曲にフィットしたクッションを入れることで、座っているときの痛みが消失し、車いす以外の椅子に座っている姿勢もよくなり、両肩を結ぶ線がまっすぐに近くなった。レンタル期間を延長し同じ車いすを補装具給付で申請中。ベッドと車いす間の移乗を一人で行えるようになった。 事例Aからの学び 本人の希望を満たし「うまく座れるように」なった成功事例である。 背景にある要因 @用具選定にシーティングの専門家の助言 A車いすを搬入後福祉用具メーカーの担当者が繰り返し訪問し微調整を重ねたこと B施設職員との協力体制 |
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