Lesson 18
座面圧測定、FSA(Force Sensitive Applications)って何?


 FSAとは、カナダ VERG 社が開発した、やわらかい表面にどのように圧力がかかっているかを測定する機器です。今回、日本社会事業大学では、座面圧を測定できるFSAを購入しました。座面圧を測定したり、援助効果を目で確認することができます。客観的なデータがとれるので、教育・研究に役立ちます。


○ どう使うの?
介護の講義や演習で使う予定です。車いすベルトをせずに、身体拘束をせずに、どうやって座位を確保するか、について基本的事項を学ぶ授業で特に使う予定です。理学療法士や作業療法士等でなければ解決できないこともありますが、ちょっとしたことで解決できるレベルのシーティングの課題を抱えた方はとても多いものです。福祉職がもつべきシーティングの視点と技術があります。各種車いす、椅子、に座り、圧がどこにかかっているかを目で見て学びます。各種クッションがほんとうに分圧できているのかも確かめることができます。

○ どれくらいの圧にすればよいのか?
FSAで赤や黄色の色が出ているというのは、そこに圧が分散していることを示します。圧がかかっている面積が局部でなく、できるだけ分散されて広くかかるように。また、赤色や黄色ではなく水色になるように援助します。

○ どの数値を目安として圧分散を行えばよいのか?
文献から示します。「座圧時尾骨部の体圧が50mmHg、ベッドに横になった姿勢--仰臥位時仙骨部の体圧が30oHg、を減圧の目安としましょう。代謝障害は毛細血管圧32oHg以上により生じるとされています。」「褥そうは70oHg の圧迫が2時間以上持続すると、組織は虚血により不可逆的な変化を症実という研究に基づいて、リスクのある患者に2時間ごとに体位変換を行うという予防ケアがなされてきました。」(引用文献:徳永恵子「褥そうをつくらない」『ソーシャルワーカーのための介護』有斐閣、pp116-122、2002.)