Lesson 13
介護予防とレクリエーション


「やらされている」から「自ら進んでやる」への転換が大事です。
千葉和夫「福祉におけるレクリエーションの意義と新たなる展開」
月刊総合ケアVol.12 NO.6、P22〜27、2002 より一部抜枠
「介護というヒューマニスティックな手助けが、食事、入浴、排泄といった生命維持活動だけに特化され、患者・利用者の社会生活(余暇活動を含む)援助、支援といった部分は全くと言っていいほど放置されていく。またこうした援助・支援が、保険給付の対象となっていないことも大きな要因である。」

生活目標としてのレクリエーション

レクリエーションの援助実践によって
社会生活からの離脱を防止して行く事が肝心

何のためのADLの回復か?

自らの意思で自由に動き楽しい生活を創り、
充実感を覚える活動に参加するためのADLの回復

デイサービスセンターをイメージしたレクリエーション

第1水準:
家に閉じこもっているよりは、老人デイサービスセンターに来るだけで意味があるし(外出)、家族が休息をとれる。センターで行われるレクリエーションは、暇つぶしになればそれでよい。

第2水準:
暇つぶし的な活動だけでは意味が半減するので、体操・音楽・ゲームなどで利用者の体調を整えたり、お互いの交流を促すためにレクリエーションが大切といった認識(treatment)。

第3水準:
午後からは、利用者一人ひとりの好む活動を探し出し、それを継続的に楽しめるよう導いていく(leisure education)。

第4水準:
第3水準で導いてきた諸活動が、利用者一人ひとりの主体的能動的レクリエーションとして確立していくよう時間・空間・用具・仲間・ボランティアなどの条件を整備していく(recreation participation)。

入所施設をイメージしたプログラム

1対1プログラム:
諸般の状況により自室にいることが多い患者・利用者には、個別的に訪問し、1対1で楽しめるプログラムを共有する。

小グループ:
フロアや趣味ごとの仲間づくりをサポートし、定期的継続的な活動へと発展させる(グループワークの展開)。

イベント:
季節行事・発表会など生活目標になるようなイベントを設定し、個々人や小グループへ投げかけていく。その際、ボランティアとの協働が重要な要素となる。

ケアプラン:
こうしたプログラムが、患者・利用者への個別ケアプランのなかで活用されていなければならない。米国では、ケアプランのなかの10項目に”アクティビティ”という呼称で挿入されており、楽しむ権利や生活改善といった観点から第3者によるチェックが厳しく行われている。