Lesson 12
車いすベルトとシートベルトは違う。
 シートベルトは安全保持のため、車いすベルトも同じ安全保持のために必要で事故防止に役立っているという声を聞きますが、がこれは間違っています。誤解は解かなければなりません。車いすベルトなしでうまく座る方法については、第3部を読んでください。


シートベルトと車いすベルトの違い
@ シートベルトは自分の意思でつけることも、はずすこともできます。車いすベルトの多くは自分ではずすことができず「はずしてほしい」と本人が訴えても「ベルトがあったほうが安全だから」と無視されてしまうこともあります。体が痛くて動かしたくてもベルトで行動を制限される。シートベルトと車いすベルトは全く違うものです。まして、車いすベルトを安全ベルトと呼ぶのは?です。
A シートベルトは、車や飛行機に乗っていて、車や飛行機が動いているときに使います。駐車している車の中でくつろいだり食事をしているときにシートベルトをしている人はいません。それに対して、車いすベルトは、静止しているときリビングで食事をしているときにもはずされることはありません。車いすの上で長時間座ら車いすの上でうたたねをしている姿、長時間動かずに座っているのに、なぜ? 何のためにベルトが必要だというのでしょうか?
B 私たちはシートベルトでよい姿勢を保っているわけではありません。もともと座位は自分でとれる人(両手でバンザイをすることができるくらいの座位保持能力)が、事故発生時の衝撃を和らげる目的でベルトをしています。それに対して車いすベルトは「ずっこけ座りになるのを防ぐ」「ベルトがあれば姿勢保持に役立つ」と誤解されて使われています。私たちだってベルトでよい姿勢が保てません。まして、両手でバンザイができないくらいの座位保持能力の人がベルトだけでうまく座れるはずがありません。ずっこけ座りをベルトが防止するわけがないのです。(注―例外として、座位保持装置つき車いすをつかった上で姿勢保持のためのベルト等を必要とする人はいるのですが・・・)