縛らない介護をすすめるためのインターネット版教科書
インターネット版教科書作成メンバーの紹介
 私たちは「やる気介護研究会」のメンバーです。やる気介護研究会とは、日本社会事業大学の教員・介護福祉コース学生や卒業生・有志にする研究会です。介護職自身が介護を変え、あるべき介護を導いていくことをめざして活動してきました。

教科書作成までの歩み
 身体拘束をしない介護・縛らない介護について、数年間、施設見学・勉強会・研究を行ってきた。(詳細は「縛らない介護に関する研究の歩み」参考のこと)。特に、「介護職のシーティング支援構築のための基礎研究」(フランスベッド・ホームケア研究助成財団による研究助成)にとりくみ、7事例への事例研究を行ったことが、教科書作成のベースとなっている。シーティングのプロと、福祉用具メーカー担当者と、介護現場の職員がメンバーとなって事例検討を行い、援助経過を追跡し研究である。本報告書内容については、参考の欄に「介護職のシーティング支援構築のための基礎研究」PDFファイルで全文を掲載しているのでぜひお読みいただきたい。 尚、縛らない介護をすすめるための教科書作成にあたって、日本社会事業大学社会事業研究所の平成14年度共同研究費助成を受けたことを付記する。

教科書作成のねらい
 本教科書のねらいは、身体拘束をなくすための知識と技術を伝え、現状を変えることにあります。「身体拘束は禁止です。縛ってはいけません。」とスローガンをあげるだけでは身体拘束はなくなりません。「縛る以外の介護方法。縛らないで介護する方法」を知らないから安易に縛ってしまうし、縛ることが本人のため安全のため、という誤解を払拭できないのです。
インターネット版教科書の強みは、興味ある人にすぐに広く伝えられることにあります。また、画像や動画をとりこんでわかりやすく伝えることができます。リンクをつないでさらに深めていくことも可能です。介護従事者として働いている人、家族介護者、介護に興味を持つ人、どなたにもすぐに読んでほしい教科書です。特に、社会福祉学系の大学や介護福祉士を養成する学校で授業を担当している先生方にインターネット版教科書を使って授業を展開してもらいたいと望んでいます。

やってみよう
 身体拘束について考えるとき、あなた自身が縛られる体験をしてみると実感がわきます。講義の間、折りたたみできる布(シート)張りの車椅子に座って動かないようにして聞きましょう。クッションをつかってはいけません。動いてはいけません。もし、そこに車椅子ベルト・ヒモがあれば、胴回りを車椅子に縛り付けて講義を聞いてみましょう。